大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(あ)442 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人A、同B、同Cの各上告趣意、同被告人三名の弁護人辻富太郎の上告趣意、

被告人Dの弁護人原田香留夫、同小沢茂の上告趣意は、末尾に添えた別紙書面記載

のとおりであり、これに対し当裁判所は次のとおり判断する。

弁護人原田香留夫、同小沢茂の上告趣意第一点は、緊急逮捕を認めた刑訴二一〇

条は、憲法三三条に違反し無効であることを前提とし、仮りに右刑訴の規定が違憲

でないとしても、本件緊急逮捕は、右刑訴規定の要件を充足履践しないから違法で

あるというのである。しかし、刑訴二一〇条の緊急逮捕の規定が憲法三三条に違反

しないことは、当裁判所大法廷の判例とするところである(判例集九巻一三号二七

六〇頁以下参照)。されば、所論前提の違憲論は採ることができない。次に、所論

後段は、原審の判示に副わない事実関係を前提とする法令違反の主張に帰し、刑訴

四〇五条の上告理由に当らない。そして、この点に関する原判決の説示は正当と認

められるから、該所論も採るを得ない。

同第二点及び弁護人辻富太郎の上告趣意「四」は、違憲をいうが、原審が憲法及

び法律を無視していることは認められないから、所論は前提を欠き、これまた採る

を得ない。

被告人A、同B、同C及び弁護人辻富太郎の上告趣意中、拷問等による自白を証

拠とした旨の主張は、所論証拠はいずれも拷問等により強制された自白ということ

はできないとする原審判断を正当と認めるから、違憲の主張は前提を欠くものであ

り、また右Bの論旨中、原審が組織、構成において不公平な裁判をするおそれがあ

るものということもできない。なお右弁護人辻富太郎の論旨中、原審が、起訴状記

載の本件訴因には、捜索逮捕の行為に直接従事する警察職員に対する暴行傷害は勿

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論、現場において右公務の執行に協力して妨害者を排除し、又はこれを公務執行妨

害の現行犯として逮捕する警察職員に対する暴行、傷害をも合せ、すべて公務執行

妨害及び傷害の罪として審判を求める趣旨であると認めるのが相当であると判断し

たことは正当であつて、所論の違法、違憲は存しない。

右各趣意中、その余の論旨は事実誤認、量刑不当、単なる法令違反若しくは前提

を欠く違憲の主張であつて、採るを得ない。

よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三二年一〇月一一日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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